挫折

あなたは挫折感を感じたことがありますか?と聞けば「フッ、俺が挫折?」なんて人は一部の外資の勘違いをのぞけば実際には殆どいないはずです。私もそうでした。

  • 私がこの会社に入って最初の数年間が大変な苦悩の日々であったことは以前に述べましたね。しかしまだ言っていないことがあります。それはその当時の直属の上司です。その方の非難になってしまってはいけないと思い今まで控えていましたが、もう時効でしょう。
  • もちろん原因は私にも多いにありました。聞けない・しゃべれないで完全に自信を失っていたこともあり、本来の業務に対する切れも前の会社で感じたような自信は全く失っていた時機でした。
  • そのときの直属の上司は日本人のマネージャーでした。今から思えば彼は部下というのを持ったのが私が初めてだったのでしょうね。まぁ、事細かに業務指導から生活指導までとことんいろいろコメントをいただきました。それでもなかなか思うように動けない私。そして彼は私に対してだんだん否定的になっていきます。
  • 周りの部署で私のことを「あれは駄目だ」と言いふらしていたようです。それを聞いていて初めて私のところに来る殆ど人々がとてもバカにしたような態度で私に接してきたのを今でも覚えています。
  • いわゆる挫折感を強く感じました。直属の上司に駄目ダシをされ、おまけに外部でその喧伝までされる。挫折感以外のなにものでもありません。問題はこの時点のattitudeだとおもいます。完全に打ちのめされ、うちひしがれ「鬱病」になってしまう人もいるでしょう。「おのれ〜」と思って奮起する人もいるんです。私は後者でした。
  • 今もときおりスタッフに話をすればけらけらと笑われる話ですが、妄想癖のある私は会社帰りのバスの中で(当時はまだぺーぺーで会社から車と駐車場をもらっていなかった)、ある妄想にとりつかれていました:
  • 何年か先、私は出世に出世を重ね、その上司の上のランクにつきます。ある日、部下となった元上司が私の部屋(部屋です、部屋!)にノックをして入ってきます。仕事で立て込んでいた私はPCの画面を注視したまま右手の人差し指をたて(本当は中指が立てたくても)、待ってもらいます。それから数十秒後、おもむろに顔を上げた私がその「元上司」にいいます。「Sorry, what's up?」
  • この妄想はバスの目的地を乗り過ごすくらい魅惑的なストーリーでした。今から思えばこのような暗示効果、褒美効果が全く影響していなかったといえば嘘になると思います。起爆剤になっていたのです。
  • それから10年、私は6回のプロモーションを重ね私はその元上司を追い越し、まさにその妄想で抱いていた状態になっています。もちろん、そんな妄想を実際に実践しようとも思いませんし、そんな暇もありません。
  • ポイントはそんな誰でもある挫折感を起爆剤にできるか、それともそこでつぶれてしまうか、この差は私はキャリア形成においてとても大きな要素だと思うんですね。